その後正式に生活保護となった私がケース若尾さん(この方について詳しくは拙著『失職女子。』にて)から仕入れた情報によると、医療券は、
①ケースワーカーさんに電話などで、「○○病院に○月○日にかかりたいので医療券発行してください」とお願いする
②ケースワーカーさんが、○○病院に医療券を送ってくれる
という手順で発行されるとのことでした。
「では、今、週一回通院しているので、○○病院の今月分の医療券を4枚発行してもらってもよろしいでしょうか?」
尋ねると
「医療券は、一か月有効なんですよ。同じ医療機関にかかるのなら、一か月一枚で大丈夫です。ただ、お手数ですが毎月の発行が必要なので、月初にでも連絡もらえれば発行します」
とのお答えでした。
なるほどと納得し、その月の分の医療券をお願いして帰宅した私でしたが、やはり慣れない制度のこと、不安が残っていたので、かかる予定の病院にも電話して聞いてみました。
「もしもし~そちらの病院にかかる予定の大和と申します~。今、生活保護でして、役所に医療券の発行をお願いしまして、そちらに郵送で届く予定になっております。あのぅ、変なハナシ、まぁ届かないってことはないと思うんですけど、万が一、予約の日までに役所から医療券が届いてない場合、診察を受けれないということになってしまったりしませんでしょうか……?」
ほとんど強迫的なほどの心配症ですが、○○病院さんの答えはとても安心できるものでした。
「いえいえ、患者様が役所にお願いされた医療券がもし届かないなんてことがありましても、その場合はこちらから役所に確認しますので、患者様はご心配されなくても大丈夫ですよ。」
よかった!
私は病院に行って、「医療券が届いてないから診察できません!」と言い渡されるのではないかとびくびくしていたのですが、その心配はなさそうです。
病院で生活保護発覚の恐れ?
医療券発券については、余談ですが、こんなこともありました。
医療券の発行をお願いしようと電話したところ、ケース若尾さんが不在だったことがありました。自分の担当ではない職員さんに要件を伝えたところ、
「医療券は役所に立ち寄って取りにこられますか?」
と言われました。病院に行く前に役所に行くのは、正直、体力的に厳しかったので、
「いつも郵送でお願いしているのですが……?」と聞いてみると、職員さんからは意外なお言葉がありました。
「あぁ、郵送希望ならそれでも大丈夫ですよ。中には、病院の受付で『生活保護で医療券は郵送でお願いしてあります』って言うのが嫌だからって、医療券は自分で受付に提示したい人もいらっしゃるので。」
たしかに、小さい町に住んでいて、近所の人に自分が生活保護だと知られたくない場合もあるだろうし、子供がいる人はいじめられるのを恐れて生活保護であることを周囲には言わないのが一般的だと聞いています。
自分は人口の多い地域に住んでいるし子供もいないので、気楽な立場で生活保護の医療券をお願いできているのだな、と痛感しました。