『ラテに感謝! How Starbucks Saved My Life―転落エリートの私を救った世界最高の仕事』を読んで

『ラテに感謝! How Starbucks Saved My Life―転落エリートの私を救った世界最高の仕事』(マイケル・ゲイツ・ギル )という本を読んで大変なことを知ったんです。

 

この本は、ニューヨークのアッパー・イースト・サイドで著名な両親の元に生まれ、家政婦さんのいるの大きな家で育ち大学はイエール(かの有名なBones & Skullsにも入っていたそうです)を卒業後、世界最大の広告代理店J.Walter Thompson's社に友達のコネでするっと就職した超・ぼんぼん育ちの著者が、勤続30年後いきなりリストラ、不倫・隠し子発覚・脳に腫瘍ができ離婚、さあどうしようとなった時に偶然スタバで働くことになり、それが結果としてものすごく自分にあっててよかったわー、命拾いしたわー、という内容の本です。

本書は全体的にあまりとがっておらず、さっくりライトな筆致で、私の上記のあらすじほどスキャンダラスなトーンではありません。

 

さて。

 

私がこの本で知った衝撃的事実とは、アメリカのスタバ従業員は、お客さんの名前といつも注文するドリンクを暗記し、なおかつフレンドリーに会話をした方が優秀とみなされる、ということです。

 

月に何度か、
□お客様をお名前で呼んでいるか?

□お客様と雑談しているか?

□お客様がいつも注文するドリンクを覚えているか?

といった項目のチェックリストを手に客を装った本部社員が店に来て店員を採点するそうなんです。なので店員はそのチェック項目を満たすように接客に勤める(このチェック項目が日本でも運用されているかどうかは知りません)。

 

いえ、別にスタバがどういう基準で運営されていようと、別にいいのですけど、客としての私は個人的に、どんな店でも店員さんに雑談を振られることほど苦痛なことはないんですね。そのうえ、名前で呼ばれようものなら、二度とその店舗にはいかない。じっさいにそういうことがカフェで昔あった。スタバではないけど。

 

だからもし、行きつけのカフェがこの採点基準に基づいてオペレーション始めてしまったらどうしよう……!これは大変だ……と、『ラテに感謝! How Starbucks Saved My Life―転落エリートの私を救った世界最高の仕事』を読んで、恐怖におののいたんです。

 

とはいえ、もしお気に入りのカフェがそういう方針になったらしょうがないし、頑張ってる店員さんの点数になるなら、こちらも協力したい。とはいえ本名で呼ばれるのもツイッターネームで呼ばれるのもやだ。おっ、だとしたら「カフェネーム」を名乗ればいいか!それで解決だな!……と、そこまで考えました。「カフェネーム」……まだ思いついてないです。

 

それはともかく、この本には、いろいろとドリンクの名前が出てくるので、

「次カフェ行ったときはこれ飲んでみよう!」とか

「このドリンクにこのトッピングは思いつかなかった、今度やってみよう!」

と考えながら読めたのは楽しかったです。

http://www.starbucks.co.jp/beverage/

 

よく考えたら、カプチーノばかり頼んでラテを頼んだことがありませんでした。エスプレッソ・ブラウニーをあてに、ラテが飲みたくてたまらなくなる本でした。