『消された一家―北九州・連続監禁殺人事件』と『闇金ウシジマくん』

ほっこりといえば、この本。

 

『消された一家―北九州・連続監禁殺人事件』(豊田正義)。

もともとははるかぜちゃんがツイッターで紹介していて、「面白そう!」と思って読んだのだけど、想像をはるかに超える爽快感を得られた本書。

吐き気がこみ上げてくるよなほっこり具合☆

年に何度か読み返したくなるけど内容をうっすら思い出しただけで「うっ……」となってしまって読み返せません。

 

先日さらにツイッターで教えていただいたのですが、『闇金ウシジマくん』にもこの事件を題材にしたエピソードがあるということで、早速読んでみました!

26巻・27巻・28巻の「洗脳くん」編がそれに該当します。

 

『消された一家』はほっこり家族エピソードが糞尿・内臓・血しぶきにまみれて展開される印象ですが、『闇金ウシジマくん』「洗脳くん」編ではさすがにそこまで糞尿はまき散らされず、(比較的)安心して読めます。

 

『消された一家』がルポタージュとして事実と判明していることを「点」として紹介しているのに対し、『闇金ウシジマくん』ではフィクションの特性を活かし、「点」と「点」をつなげた「物語」として、この事件の新解釈を読者に提示してくれます。

 

フィクションのほうが、ルポタージュよりもある意味、真理をあぶりだすことがある……という好例に思えました。

 

『消された一家』を読み、事件の首謀者があまりにも凶悪すぎて、この一家を助けるシナリオが私にはまったく思いつかなかったのですが、その点、『闇金ウシジマくん』は鮮やかな解決を描いてみせてくれます。

 

ウシジマほど冷酷な人物なら、たしかに事件の首謀者とも互角に戦えるかも……という説得力が確かにあり、それが何よりもすごいと思いました。

 

ツイッターで知った本は、はずれがない、と思います。