親がアル中だという自覚を持つには

心が滅入るし
気はすすまないけど、
書いておかないと忘れるので書いておく。

 

初めて、
「うちの親、アル中なんですよぉ」と
カウンセラーに言うことができた。

 

同じカウンセラーに通い続けて
6年目の春。
ついに成し遂げた快挙であった……。

 

正直自分でも、

「えっ今更?
なんでもっと早くに
言わなかったんだろう?」

と思う。

 

これまでは

「自分は生きてる価値がないんです!
死んだほうがいいんでしょうかぁーー!?」

ということや、

いろいろ自分に起こっていることを
中心にしゃべっていたので
貴重なカウンセリング時間中に
両親の飲酒習慣についてまで
語る余裕がなかったんだろう。
と思う。

 

さらに、
両親の飲酒は、
私が赤ん坊のころから
毎日毎日、続いていたことだ。
自分にとってはあまりに普通すぎて
普段は忘れているくらい
普通なことだから、わざわざ
貴重なカウンセリング時間を
費やそうという発想すらなかった。
ということもあると思う。

 

実際、私は

「大人というものは全員
うちの両親くらいの量の
アルコールを
毎晩飲むのものなのだろう」

と思い込んでいた。
(自分が大人になって、
あれ?
と思うようになったけど。)

 

これはすごく怖いことで、
もしたとえば両親が
シャブ中で、私が赤ん坊のころから
毎晩シャブやっている姿を
目にしていたら、私はきっと

「大人はシャブやるのが普通」

と思っていたことであろう。

さらに言うならば、

「あれ?
ひょっとして、自分が子供のころ
されてきたことって、『虐待』?」

とようやく気づいたのも、
カウンセリングに通って
3年くらい経ってからだった。

 

カウンセリングに通い始めのころは
まさか自分が『虐待』
されてたなんて、
夢にも思ってなかった。

 

母親に

「家族の中でお前だけ、
心が腐っている!
父も母も弟も正常なのに!」

と言われたことがある。

 

家族になじめないのも、
自分の心が腐っているからだろう、
こんなに腐った自分なら、
死んだほうがいいんだろーな。

 

そう思っていた。

 

虐待されてる、とか
あそこの夫婦はアル中だ、とか、
人のことであれば、
カンタンにわかるのにねー。

 

当事者にとっては
「自覚をもつ」ということが
まず第一の難関だったりすると、
身をもって
実感している。