Lorraine CormierによるPixabayからの画像
1 「親は何故あなたにそんなことをしたの!?」
「子どものころ親に不当に扱われた」エピソードを話すと、相手からはこのようなレスポンスが返ってきます。
「親は何故あなたにそんなことをしたの!?」
それに対して私は答えることはできません。ぽかーんとこう思うだけです。
「知らんがな。虐待したのは私じゃないも~ん」
世間の興味は被害者のケアや治療に対してではなく「なぜ加害者は加害したのか!?」ということにまず向くようだ。
ということを、私の狭い経験からではありますが、体感しています。
レイプや痴漢に遭った人が被害をおおやけにすると、世間は被害者に対して「ナゼ強姦された!?」「ナゼ痴漢された!?」と思い、「エロい服着てたから被害に遭ったのだろう」「夜おそく出歩いていたからだ」と独自の理由をこじつける傾向があると聞きます。
虐待の被害者に対しても同じような心理が働くのでしょうか?
2 『毒になる親 』にはこうある
となれば、そろそろ私も加害者の心理についてそれっぽく語れるようになっておいたほうがいいのかもしれない。そう思い、聖典にあたることにしました。
『毒になる親 一生苦しむ子供(講談社)』 by スーザン・フォワードです
この本はとてもよいので皆さん読んでください。
本書にはこうありました。
比較的安定している家庭においては、親はそのような親子関係の変化が作り出す心配事にもたいていは耐えることができ、子供の離反や頭をもたげる独立心を、積極的に後押しはしないまでも黙認しようと努力することはできる。比較的理解のある親なら、自分の若かったころを思い出して「まあ、いまはそういう時期だから」といって見守ってやることができるのである。そういう親は、子供の反抗や離反は情緒の正常な発達のためのプロセスであることがわかっている。
ところが、心の不健康な親は、そのような理解を示すことができない。幼児期から思春期に至るまで、あるいは成人していればなおのこと、子供の離反はおろか自分と考えが違うことすら自分に対する個人的な攻撃と受け止めてしまう。そういう親は、子供の「非力さ」と親に対する「依存度」を大きくさせることによって自分の立場を守ろうとする。子供の健康的な精神の発達を助けるのではなく、それと反対に無意識のうちにそれをつぶそうとするのである。しかも困ったことに、しばしば本人は子供のためを思ってそうしているのだと考えていることが多い。このような親のネガティブな反応は子供の自負心を深く傷つけ、開きかけている独立心の目を摘み取ってしまう。
親の方ではいくら正しいと思っていても、子供にとって親から受けるこのような攻撃は理解できないものである。親の示す敵愾心や態度の激しさ、反応の唐突さなどのため、子供は当惑するばかりだ。
※アンダーラインは筆者による
3 まとめ
上記から収集できた情報をまとめます。
加害する親は:
- 心が不健康。
- 自分と考えが違うことを自分に対する個人的な攻撃と受け止める。
- 子供の「非力さ」と親に対する「依存度」を大きくさせることによって自分の立場を守ろうとする。
- 子供の健康的な精神の発達をつぶそうとする。
- 困ったことに本人は子供のためを思ってそうしているのだと考えていることが多い。
4 さいごに
いかがでしょうか。
「親は何故あなたにそんなことをしたの!?」
あるいは
「親は何故私にそんなことをしたの!?」
という永遠に答えの出ない疑問に対するヒントを微量ながら感じていただければ幸いです。もっとたくさんのヒントは、各自本書を読んで感じてください。