現実社会への仲間入りをさせてもらえない
「現実は厳しいぞ」とか言われて育ってきたわけじゃないですか、うちら。
「いつまでも学生気分じゃいられないぞ」とかって。
だから思うわけじゃないですか。
「じゃあ、現実がどんだけ厳しいもんか、見てみたい!まずは現実社会の仲間入りするために就職しよう!もう学生気分じゃいられないぞ~!」
って思って、書類を送るわけじゃないですか。
100社くらいの企業に宛てて。
そんで、不採用になるわけじゃないですか。
100社くらいの企業から。
そうすると、思うよね。
「あれぇ~?現実の厳しさを知りたいだけなのに……なんだかアタシ、現実社会の入口地点で既に拒否されてる?」
「現実社会への仲間入りをさせてもらえない」という厳しさなら十分に分かった。けど、その現実社会ってもんが、一体どういうもんなのんか、これじゃ永遠にわからないよ!
本当に現実は存在してるのか
私くらいになりますとね、つまり、100社くらいから不採用になりますとね、ちょっと疑いの念を抱き始めるわけですよ。
「私が応募した100社って……本当に存在してんのかな?私が送った書類って全部『大和不採用センター』に一旦転送されてから、いろんな企業名を語って私宛に不採用通知が送られてくるシステムなんじゃないの?」
こんなふうに思っちゃうほど、企業からの不採用通知(通称『お祈りレター』『お祈りメール』)はどれも同じテンプレだし。
街を歩いて企業の看板が出てるビルの前通っても、
「これ全部書割なんだぜ、ただのセットなんだ。このビルはただのファサードで、裏にまわったら、なんにもないんだ。中で人なんか絶対働いてないんだ。」
としか思えなくなってくるよね。
だって、「現実」の仲間にいれてもらえないってことは、「現実」の実体がわからないってことであり、従って、本当に「現実」が実在してるのかどうかすら疑ってしまうのが人情じゃあ、ないでしょうか?
……で、そこまで考えると、
「あっ、ちょっとまてよ。ひょっとして存在してないのは、『現実』じゃなくて、『私』のほうなのかも……?」
とまでなってくるのでございます。
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