『少年は残酷な弓を射る』大人になりきれないまま子供をもってしまった女性の成長譚

少年は残酷な弓を射る』見た感想を言わせて下さい😆。


エヴァ】母親、主人公。出産前は旅行作家。以前はトマト祭りではっちやける楽しげな女性だったのに、妊娠以降は不幸せそう。いつもイライラしている。
【ケヴィン】エヴァの息子

エヴァの部屋をケヴィンが
「ヘンなの!」
とののしるシーンの感想です。

●この映画は大人になりきれないまま子供をもってしまった女性の成長譚なのかなぁ、という気がしました。

映画はエヴァ視点だけで進んでいきます。なので初見はどうしてもエヴァに感情移入している状態。このシーンではケヴィンの言葉にグサッときました。

ところが少し距離を置いて考えると
「部屋中上から下までびっちり地図を貼るエヴァって狂気じみているな。素直な言葉でいえば「ヘン」だな。なのでケヴィンの言葉は核心ついてたな」
と、感想が変わりました。

DIYで鬼気迫る、けどめずらしく上機嫌なエヴァを目撃したちっちゃいケヴィン(おむつ姿)にしてみれば相当怖かったんじゃないかなあ、と。

そんなに旅行がいいなら子供も夫も家も置いてさっさと行っちゃえばいいのに。

エヴァがなぜそうしないかというと、行けない理由はまあたくさんありますよねぇ大人になると……。それもわかるのですが、ちっちゃいケヴィンとしては
「あんたがいるから私は旅行にもいけないわよ!」
と被害者意識募らせてる母親は恐怖でしかない。あれこれ自分のせいにされるのもたまったもんじゃない。

だから
「ヘンなの!」
と言うしかなかったんだろうなぁ、と。

「人は、人の無意識に反応します」と加藤諦三さんも言っていますし。

この映画、最後はエヴァが少し成長するのが救いだと思いました。