『少年は残酷な弓を射る』こりゃトラウマ治療のメタファーだな!?

またまた『少年は残酷な弓を射る』感想言わせて下さい(・∀・)

●本作、エヴァのトラウマをそのまま映像にしたかったぽい。

作品を通して映されるのは、エヴァがボロ家にぶちまけられたペンキを落とす様子。これはトラウマ治療のメタファーではないかなと思いました。


●なぜなら私がトラウマ治療を受けてるからです。

フラッシュバックは突然よみがえるトラウマの記憶ですが、起こるだけで死にかけることもあり、実際死ぬ人も多い。私は救急車呼んだこともある。トラウマ思い出すの、超危険。

しかし反省なくして前進などありえない。前進しようと思ったら死にかけても【トラウマを意識】することが必要。

しかしトラウマは無意識に刷り込まれた記憶なので

「無意識のもんをどうやって意識するのよ!? ムリゲーじゃん!」

ていつも思いながら治療に通ってます、しんどいです←ボヤキ。

●トラウマと普通の記憶にはかなり違いがあるんですが。そのひとつ、トラウマは五感を通して甦ります。

本作では、エヴァの耳や目、指先のアップが多い。

●トラウマと普通の記憶の違い2つ目、時系列で蘇らない。

本作で私達が時系列バラバラにエヴァの過去を知るんですが、それこそがトラウマのやっかいなとこなのよね〜、わかるわ奥さん。

●私も自分が何に苦しんでるのか人に説明できないし、そのせいで周りにご迷惑をかけることが多いのですがそもそも過去の出来事を言葉で説明するのが不可能やねん、ごめん。だって匂いや味や音や触感や映像として私の中にあるものだから。

さらに因果関係を時系列で説明するのも不可能、私にも記憶の時系列わからないんだ、ごめん。

ですからトラウマは長いこと人から理解されにくく、本人は孤独が募りさらに危険な状態に。

●新しい家にぶちまけられたペンキをエヴァは映画中、ずーっと手作業で落としています。

時にはちっちゃーいカミソリでこびりついたペンキ痕をカリカリ落とすしかない。カミソリがガラスに当たってキーキーいうのがとても不快。

もうね、トラウマ治療そっくり!

●だからこそラスト、ペンキ痕がなくなった家から出てくるエヴァを見たときは
「あんた偉かったね!」
と思いました。

子育てで犯した失敗だけでブログ何本も書けてしまうような人ではあるんですが、私はトラウマ治療の大変さを知ってるので、オンボロではあるもののキレイになった家が見れたとき、とても誇らしかったです。

前の家では部屋に地図を貼って
「私だけのお部屋が必要なの!」
と言っていた彼女がボロ屋でDIYするのは、大嫌いな息子・ケヴィンの部屋。

自分のなかに他者を入れる余地がエヴァにできたんだな、物凄い変化だな、私もかくありたいなと思いました。

よろしければぜひご覧になってね♡

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