カウンセリングの日

国家資格の公認心理師によるカウンセリングに通ってもう15年になる。

 

多くの人はカウンセリングと聞くと人生相談みたいなものを連想する。悩みに答えてくれる場所。けど、それは大間違い。実態は、ボクシングの試合のようなものです。

 

一時間のセッションの後は、食べ物も喉を通らない。精神的に、肉体的に、ひどく消耗する。

 

一度はセッションが終わった帰り道、ちょうどゲリラ豪雨だった。私は傘もささずに歩いたけど平気だった。

 

なにせこちらはボクシングで殴り合いをした直後なのだ。ずぶ濡れくらいがちょうど良い。

 

今日はある人たちを殺したいと今でも思っている、という話を聞いてもらった。

「それはだれですか?」

「親です」

私の顔は笑っていた。愛想の良い人と思われたかったから。

 

だけど、目からは涙が出ていた。悲しいわけじゃない。ただ、出るのだ。目から水が。

 

悲しみも怒りも感じてません。けれど昔と同じ酷い目に遭う悪夢をみるんです。毎晩です。だから寝てる間に、よく叫んじゃうんです。その叫び声で目を覚まします。起きると周りに置いてあったものが壊れています。寝てる間に私が壊したんです。

 

顔で笑って目からは水を流して口調はあくまでも落ち着いたまま、話す。

 

心と身体が分離したままで話すのだから、ひどく消耗する。

けれどそんなふらふらのしどろもどろであっても、なんとか話せるようになったのは15年努力して治療しきたからだ。

 

私が人として壊れているという事実は変わらないし、いつか「治る 」ことも目指してない。

 

壊れている人間が壊れているなりになんとか生きていくことを目指してる。ただそれだけ。