今年で東日本大震災から12年経ったというが実感はない。
だって解離性障害だもの。
そんな2023年の3月11日、とんでもない災害に遭いました。
というか、私が災害を引き起こしてしまいました。
住んでるアパートの消火器を倒してしまい、中身が一面に噴射されたのです。
このできごとのせいで解離してしまった私がどういう感覚に陥っていたか、そして、消火器の安全ピンがいかに大切か、この記事で書きたいと思います。
安全ピンの抜けた消火器から「10ピンク」の粉が出る
その消火器は安全ピンがすでに抜けており、誤って倒したところあっさり中身が漏れ出てしまいました。
見慣れたアパートの共用廊下と私の部屋の一部が一瞬でその粉に覆われ、MVなどでしか見たことのないような一面ピンクの風景に一変したのです。
綺麗なピンクとは裏腹に、私は恐怖で凍り付いたようになりました。
アパート退去令の恐怖から解離
出てきた粉はユニクロでいえば「10ピンク」色、薄いパウダーピンクに着色されていました。
↑ユニクロの10ピンク色
解離性障害の人間じゃなくとも、災害や交通事故に遭った瞬間は解離して恐怖を感じないと聞きますが、消火器を倒してアパートを「10ピンク」にしてしまった場合はどうなのでしょう?
一般の人がどうなるのかわかりませんが、私は奇しくも約12年前失業したときアパート退去を命じられた過去があるオンナです。
「またアパート追い出されたらどうしよう!」
と、ものすごい恐怖に襲われ、解離しました。
解離してキャパシティが10%くらいになったちっぽけな脳みそを振り絞り私は考えました。
「掃除しよう(´;ω;`)」
解離
半泣きでピンクの粉を除去しようともがいたのですが、解離しているせいで目の前に膜が張ったようになり、現実感がありません。
目が覚めた状態で夢を見ているようなカンジです。
音も水の中で聞いているかのようにボワ~ンとしか聞こえません。
自分自身が身体から抜け出しているような感覚のせいか、風景全体が立体的に見えずに平べったく見えるのも解離中の特徴です。
距離感もバグります。
掃除用のデッキブラシを握る自分の手と足元の廊下の距離がまるで10メートルくらいあるように見えます。
そのせいかどれだけ頑張って掃除しても全く手ごたえがありません。
消火器の粉とはそういうものだから、というのも大きいかもしれませんが、解離した状態では効率よく掃除なんてできません。
デッキブラシで掃いても掃いても呪いのピンクの粉ははびこり、廊下がなかなか綺麗になりません。
チャイムで我に返る
5時のチャイムが鳴る音が遠くから聞こえ、はっと我にかえりました。
その時点で気づけば掃除を開始して4時間くらい経過していましたが、解離している私には、その時間はほんの一瞬でしかありません。
スプラトゥーンのように全身泥とピンクに染まった状態で一心不乱に私を見た通行人がぎょっとしていました。
シュンとしながらアパートを可能な限り綺麗にし、大家さんには電話で平謝りし、許してもらえたので現時点で退去は命じられていません。
その後
あれから数日たちますが、消火器を誤噴射させてしまった落ち込みは治りません。
今日見ても共用廊下はうっすらピンクでした。
今後も根気よく掃除していこうと思います。
気づいたのですが腕に大きなあざができていました。
いつぶつけたのか、全く記憶がありません。
消火器の安全ピンは罠カード
ツイッターで
「安全ピンの抜けた消火器は『罠カード』」
というツイートを見つけ、なるほどあの消火器は『罠カード』だったのか、と妙に腑に落ちました。
実はアパートの消火器の安全ピンが抜けているのは数年前から気づいていたのです。
直そうとしたものの、ピンが刺さりませんでした。
(一住人が勝手に触っていいものかもわからないし、消火器誤噴射させたら嫌だし、そのうち大家さんが直してくれるだろう……)
と放置していたのが「罠カード」となりました。
ネットで消火器の安全ピンの刺し直し方を検索したところ、直し方はあっけないほど簡単でした。
この度、東日本大震災から12年経ったタイミングで、身近な防災アイテムである消火器について色々勉強できたことは幸運だったのかもしれませんが、大家さんが直してくれるだろうと他力本願にせず、もっと早くに自分で「罠カード」を潰しておけばよかった。
強く後悔しています。
読んでくださってる皆さんは私のような思いをしないよう、ぜひ身近な消火器に安全ピンがちゃんと刺さっているか今一度ご確認なさってみてはいかがでしょうか。
そして万が一安全ピンが抜けていたら下の方法で直しておきましょう!