白シャツ変色率と無職期間

ちょっと涼しくなったので、今日、ひさびさにタンスの引き出しを開けてみた。

そこに、私は、発見した。呪いのようにおどろおどろしく変色した、元・白シャツ数枚を。

「お前……随分変わっちゃったナ……!!」
なんて、平静を装ってみたものの、2年ほど放置していた間に、昔の面影がすっかりなくなっていた私の白シャツちゃんたちを前に、私はちょっと震えた。

愕然とした、といってもいいかもしれない。

白⇒黄土色の変色。この変色率と、私の無職期間は、比例する。もし私が理系だったら、ちょっとした公式でもあみだせるんじゃないかと思うほどだ。

白いシャツはサラリーマンの魂!

その、魂が……魂が……ここまでくすんだということなのですね。

おもむろに私ははさみを取り出し、変色したシャツをじゃっきん、じゃっきん、切り刻んでいった。

さようなら……職に就いていたころは、一緒にお仕事頑張ってくれて、私の冷や汗や脂汗を受け止めてくれて、ありがとう……お疲れ様、そして、さようなら!!

そして、ただの布切れと化したかつてのシャツ達を、ゴミ箱にポイした。