ブロガー=youtuber的なタレント枠という今の人の感覚とHagexさんの痛ましい事件について
彩ぽんです。
興味深いツイートを見ました。
ライターの知人が、20代女子に「どんなん書いてんすか?」と聞かれてネットにあがってる記事を見せたら「……えっ?これって文章だけですか?」と言われたそう。今の若者にとってはライター=youtuber的なタレント枠なので「ヨッピーみたいなやつかと思った」らしい。「文書だけですか?」の破壊力……
— wkd21 (@wkd21) 2018年7月4日
まさかネットに文章を書く=youtuber的なタレント枠だとは!びっくりした。
けどそう言われれば腑に落ちる点もございます。
●ジェネギャ
私も以前20代の人と話してて「ネットに文章を書いてる」という概念が全然通じず困惑したことがあります。
「ヤフーニュースって書いてる人が存在するの?じゃあブログは誰が書いてるの?(いずれも自然発生していると思っていた模様)」
ってかんじでした。
その人はブログにもギャラが発生していると思っているらしく、
「お金も発生しないのに、なんでわざわざブログやるの??」と聞かれましたが
「えっ、趣味で……」
としか答えられませんでした。どこから説明すればいいのかわからんかった。
ちなみに、ご存じない方もいらっしゃるかもしれないので書きますと、このブログもギャラは発生しません。
完全にノー・マネー。
●自分の感覚
私は教室で工作みたいに手作りしたhtmlのちゃちいページを学校から支給されたアドレスにアップして
「うおお~自分で打ったhtmlがウェブページになってるぅ✨なにこれ魔法~??」
と感動した世代です。
ネットというものはDIY感に溢れた世界だと思い込んでいます。むしろプロなんか存在しない世界だ、と。 ネットなんてリアル世界から隔絶された便所のようなもので、ブログは落書き、という感覚なんですよ(あくまでも自分はそうというだけであって、プロ意識高く完璧な文章をブログに掲載している人もいらっしゃいます。繰り返しますがあくまでも【私が】そういう感覚というだけです)。
私はむしろブログを公的なものとして扱われるとすごく困ります……。
生まれたときからネットが存在していた今の人とその辺の感覚は決定的に違うかもしれない。
私がネットで悪口などを書かれたとしても、特になにも思わないのはそのへんから来ているのかもしれません。
だって、私も、悪口書いてる人も、みーーんないわばクラスメイト、素人の集まりだと思ってしまっているから。クラスメイトに悪口書かれても、
「この人たちはオフィシャルな感覚で書き込んでないから、こんなこと書いちゃうんだよね~」
くらいにしか思わない。
●若い世代の感覚?
生まれたときからネットがあった人たちなら、ネットに掲載されてる文章を自然現象というか、ある程度オフィシャルなものとして捉えられるのでしょうね。
芸能人の告知やお知らせもブログを通して発表される時代です。
けど私にとってはネットは永遠に「DIYな手作り感にあふれた誰でも参加できる場、つまり素人の集まり、どんな人が書き込んでるのかわからない」という感覚が抜けない。
その辺に世代の断絶があるんじゃろうなぁ。
「生まれたときからネットは存在してたけどデジタル教育が追い付いていなかった世代」というのが今の20代中ごろ~後半とかなのかな……?とも思いました。
●上の世代の感覚?
けどな。
よく考えたら、私より上の世代の人にも、
「お金も発生しないのに、なんでわざわざブログやるの??」
とすごーく不思議そうに聞かれることを思い出した。
つまり、ネットは誰でも参加できる雑記帳だと思い込んでる私の世代だけがなんか特殊な感覚である可能性が高い……?
●Hagexさんと犯人のあいだの感覚のズレ
そう考えると、Hagexさんを殺害してしまった人は、(年齢はともかく)若い世代の感覚に近かったのかもしれない。
犯人にとっては、HagexさんはYoutuberに匹敵するタレントのような存在であり、オフィシャルな人だったのでは。
「Hagexはオフィシャルな人、公人でタレントのくせに、ネットという公的な場で俺の悪口を書くなんて許せない!」
と考えてしまったのかも。
対してHagexさんは、
「自分も低能さんも素人として、ネットというリアル社会から隔絶された公園で一緒に遊んでるだけ。これはいわばプロレス。じゃれ合いのようなもの。」
という感覚だったんじゃないだろうかと推測する。
きっと、あれだ。社長になったばかりの人が自分の発言の影響力をイマイチ理解せずにぼそっと言った一言が、働く人間にとっては「鶴の一声」として認識されてしまい現場が大混乱に陥る、というあれだ。
●私も変わらないといかんのじゃのう
つまりですね、私もいつまでもブログを公的なものとして扱われるとすごく困るとか言ってもダメなわけでしょうねー。
「ここはネットだから、リアル社会の肩書やしがらみから解放されて、ありのままの彩ぽんとして知らない人と遊べる場」
という感覚で今の時代ブログ書いちゃいけないんでしょうねぇ。
でも、それは困ることでもある。
ブログが公的な場所になっちゃったら、私みたいな社会不適合人間はどこに日常生活の怨嗟を吐き出せばいいの?
とも思うから。
しらんがな。
Hagexさんのご冥福をお祈りいたします。