Emotional Incest のかたち 2

前回に引き続き、"The Emotional Incest Syndrome: What to do When a Parent's Love Rules Your Life" (Dr. Patricia Love, 1991) より、Emotional Incest (肉体関係を伴わない近親姦)家庭の特徴について書いていきますね。

前回↓

「健全な家族」と「Emotional Incest家族」の違いにびっくり―実家の問題はコレだったんだ! - 大和彩ブログ

 

 

Emotional Incest には、いくつかのかたちが存在するそうです。

1.恋人気取りの親 (Romanticizing Parent) :

まるで恋愛のような愛情や親密なつきあいを、伴侶ではなく、異性の子供から求める親。要するに、親が子供を代理夫や代理妻にしてしまうケース。

同性の子供にこの欲求が向かう場合、「親友」や「ダチ」といった雰囲気になる。

2.批判的・虐待的な親 (Critical/Abusive Parent):

精神的なサポートとしてだけでなく、子供を怒りや緊張感のはけ口として親が利用するケース。
このタイプの親は自身をコントロールする能力に乏しいため、家族はほかの面でも機能不全である場合が多い。DV、貧困、アルコール中毒、ドラッグ中毒、犯罪などに関わっていることがある。

 

いろんなかたちがありますが、これらの親子関係には、共通点が二つあります。

共通点1.他の大人によって満たされるべき親のニーズを、子供を使って満たそうとしている。

 

共通点2.親は子供のニーズを無視している。子供を危険から守り、養育し、指導し、規律・愛情・肯定感・しつけを与える、ということを親が放棄している。親が子供のニーズに応えるのではなく、子供が親のニーズに応えており、健康的な親子関係の逆になっている。

 

 

Emotional Incest家族にありがちな特徴:
  1. 親に充分な交友関係やサポート体制がない(シングル、離婚、伴侶と死に別れ、もしくは結婚生活がうまくいっていない)。
  2. 2人親家庭の場合、子供とEmotional Incestに陥っていない方の親が恨み・怒りの感情を抱えている。子供と強く結びついていない方の親が、のけものにされたと感じ、嫉妬するのです。
  3. 子供が2人以上いる場合、通常よりも兄弟間の競争が熾烈。

 つまり、Emotional Incestに陥っている親子ペア以外の家族メンバーにも影響があるわけです。

Emotional Incest は、家族全体に影響を及ぼす問題ということなのです。

 

関連リンク

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