女性科疾患は穢れ? ご支援期間あと2日♪
『鹿の王(上橋菜穂子』の3つのテーマ
『鹿の王(上橋菜穂子』を読みました。持病がある人は読むといいの本だと思います。あとがきによると本書のテーマはこの3つだそうです。
- 「人は自分の体の内側で何が起きているのかを知ることができない」
- 「人の身体は細菌やらウィルスやらが、日々矯正したり葛藤したりしている場でもある」
- 「それって社会にも似ているなぁ」
『鹿の王』あらすじ
文化人類学やいろんな国の政治やそこに暮らす貴族、武人、闇の暗殺・スパイ集団、そして一般の人々などが複雑に入り組み、アクションあり禁断の恋あり。そこに加えて「病とは?」「命とは?」というテーマまで盛り込まれておりとても、とても面白い本なのですが、そこはあえて説明せず一部分だけ説明します:
ツォル帝国に占領されている土地が舞台。ツォル帝国の人たちは獣の乳を飲むこと、ワクチンや薬を注射で体に入れることを「体が穢れる」として忌み嫌っています。もともと病気とは体に邪悪なものが入ったことが発生の原因と考えるツォルの人々は病は自分が穢れているからなるもの、という考えです。ツォル帝国の皇太子は黒狼熱という伝染病にかかった際にでも、薬を注射すれば助かるのに「注射で体を汚すくらいなら死んだほうがましだ」と実際に命を落とします。
女性科疾患=穢れ?
私はこの箇所を読んだときに自身も家族の者に子宮内膜症の件を
「自分の行いのせいで病気になった(←という意味のことをもっと下世話な表現で言われた)」「女性化に通うなんて恥だから家から出るな」「検査なんかしてはいかん」「薬なんか飲んではいかん」と言われ仰天した経験があります。
このときは、彼らの論理性のない主張についていけず、ただ混乱するばかりでした。
子宮内膜症は自己免疫疾患とホルモンの病気です。自分の免疫が狂って自分を攻撃するのですから、もはや体の管制塔がどこか、なんでかわからないけれどバグを起こしているから起こるわけで、性病のようにウイルスや細菌で起こる病気ではありません。子宮内膜症が一生治らないのは、そのせいです。
一人の穢れが「家」全体を穢れさせるという信仰
しかし、私の家族がもし、病気は本人の「穢れ」のせいで起こると考えているなら。そして検査や薬、医療そのものを「体を穢れさせるもの」という考えの持ち主だとしたら。ああいう言動になってしまうのかなあ、とようやく思うに至ったわけです。
特に女性を穢れと結びつける土着信仰は、今も日本で綿々と受け継がれています。昔、女性は生理中は穢れているとされて小屋に隔離されたそうですが、未だに女性は土俵に上がるなとか、生理や子宮という言葉だけでもわいせつとみなされたりします。
私の家族がそういう思考回路ならば、もともと穢れている女性がさらなる穢れである病を持ち、中でも穢ご支援締め切りあと2日!
さて我々が自費出版しようとれオブ穢れである生理に関わる病にかかっているなんて……そんなの認めない!だって俺たちまで穢れてしまうじゃないか!となるでしょうね。
なぜなら日本の土着信仰では、家族一人の「穢れ」は「家」全体を穢れさせる、とされているからです。今でも親族が亡くなった人には年賀状を送らないのもその名残だったりします。
ご支援締め切りあと2日
さて、我々が自費している『子宮にちんぽが届くまで』ですが、子宮が語り部となって子宮内膜症に翻弄される夢子ちゃんの子宮摘出までを描いた物語です。
女性のみなさん、この国では「穢れ」とされてる子宮ですが、あなたの子宮はどうですか?私はそんな風には思いません。子宮は、いいやつですよ。決して子を宿すからとか、そんなほんわかした理由からじゃなく。
と、まあ、そういうことを書きたかった『子宮にちんぽが届くまで』です!制作実現のためのご支援をぜひ、お願いいたします。
皆さまのお蔭でご支援額こんなになりました!ありがとうございます!
ご支援募集は9月末で終わります。あと2日です。
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ぜひご協力のほど宜しくお願い致します。