『アスパーガール: アスペルガーの女性に力を( ルディ・シモン) 』 レビュー★★★★★

大和彩、ASD自閉症スペクトラム発達障害のひとつ)傾向が判明しつつあります。今年はASDに関してお勉強するために本を読み、ブログに感想を書いていきたい。 

そんな第一弾に選んだのがこちら。

 

『アスパーガール: アスペルガーの女性に力を』

ルディ・シモン (著)

 

"Aspergirls: Empowering Females With Asperger Syndrome" Rudy Simone

 

 

 ASD当事者の女性が実体験に基づいて書いた一冊。女性特有のASD症状を知るための入門書としてはぴったりの一冊だと思いました。

 

注意点:この本は2010年発行でかなり古いです。今は診断基準が改訂されたので、2022年現在「アスペルガー」という言葉は存在しません。代わりに今ではASD自閉症スペクトラム)という語を使います。

 

『アスパーガール:』大和彩のおすすめポイント

その1 ASD女性、ASD男性とは全然違うので診断遅れがち

 日本ではまだあまり知られていないのですが、ASDの男性と女性では症状がかなり違います。ゆえにASD女性は診断遅れがち、そして支援受けられないままになりがち、という問題に直面します。

 この本では女性に特化したASDの特徴を多く学ぶことができます。

 

その2 ASD女性、人といたいのに、長時間人といるとダウンしがち

 本書によると、ASD女性は人とつながりを持ちたいけど、感覚過敏ゆえ、長時間は無理。

 ASD当事者のカミーラによると

「がんばって社交の場に出ると、次の日は感情のオーバーロードメルトダウン、そして片頭痛でダウンする」

とのこと。これは私もまったく同じで、私だけじゃなかったと知れて孤独感が少し和らぎました。嬉しいです。

 

その3 ASD女性、話術にそつがありすぎ

「ママになるって素晴らしいと思わない?」

と老婦人に話しかけられた著者。

「いいえ、思いませんね」

と答え、老婦人を恐怖に陥れたそう。

 

 そうなんです……私も雑談力、ゼロ。

 我々ASDは言葉を文字通り受け取ってしまい雑談に求められる「大人としてのそつのない対応」ができないんです! 皆さんいつもご迷惑おかけして申し訳ありません……。

そつのある会話術を学ぶ必要がある。早急に! と私も思っています。

 

その4 ASD女性、記憶の問題で同じ人に何度も騙されがち

 ASD女性は記憶が独特なので、同じ人に何度も同じ件で騙されたり、トラブルに巻き込まれがちなのだそうです。

 これを回避するためのライフハックも本書は伝授してくれます。それは、「人の特徴をリストしておく」というもの。たとえば

「サリーは同僚。いい人だけど、時々嘘をつく。従って、彼女が言うことは全部信じないこと」

 サリーに会うまえにこのリストを復習すれば、再度嘘をつかれたとしてもショックと恐怖を感じなくてすむ、というわけです。

 私も身に覚えがあるのでぜひ試してみたいと思います。

 

その5 ASD女性、貧困・孤独・健康に苦しみがち

 これはもう説明がいらない。いまの私、これを地でいってます! 

 自分が悪くて今の現状があると思ってましたが、コレはASD女性あるあるだったんですね……(;・∀・)

 

おすすめ度★★★★★

以上、ASD女性や周囲にASD女性がいる方は、ぜひ一度目を通してみてください! おすすめの本です。